Dentsu Group Inc.
電通の平均年収は1,596万円
株式会社電通グループが2025年12月期の有価証券報告書で開示した数値によると、電通グループの平均年収は1,596万円(平均年齢45.0歳)です。前期(2024年12月期)の1,508万円から約88万円増加しており、国内の上場企業の中でもトップクラスの給与水準にあります。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、日本の給与所得者の平均年収は478万円です。電通の年収はこれを1,100万円以上も上回る水準で、広告業界の中でも突出した存在といえます。ただし、この数字がそのまま一般社員の年収を表しているとは限らない点には注意が必要です。詳しい理由は後述します。
平均年収1,596万円の手取り額は?
所得税・住民税・社会保険料などの控除を踏まえて試算すると、45歳で年収1,596万円の場合、年間の手取り額は約1,050万円、ひと月あたりの手取り額は約87万円が目安です。賞与の支給時期や扶養家族の有無によって実際の金額は変動します。
| 年収 | 想定グレード | 年間手取り目安 | 月手取り目安 |
|---|---|---|---|
| 800万円 | PC(係長クラス) | 約590万円 | 約49万円 |
| 1,200万円 | SP(課長クラス) | 約840万円 | 約70万円 |
| 1,596万円 | グループ平均 | 約1,050万円 | 約87万円 |
| 1,800万円 | GM(部長クラス) | 約1,170万円 | 約98万円 |
| 2,000万円 | MD(局長クラス) | 約1,280万円 | 約107万円 |
国税庁・日本年金機構等の公式情報をもとに試算(目安)
電通の年収ランキング|同業他社との比較
電通の年収を広告代理店の同業他社と比較すると、電通は業界トップの年収水準にあります。各社の有価証券報告書に基づく平均年収は以下の通りです。
| 順位 | 企業名 | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 電通グループ | 1,596万円 | 45.0歳 |
| 2位 | 博報堂DYホールディングス | 1,092万円 | 41.4歳 |
| 3位 | サイバーエージェント | 914万円 | 33.8歳 |
| 4位 | 東急エージェンシー | 703万円 | 39.2歳 |
| 5位 | 大広 | 700万円 | 41.7歳 |
広告代理店の平均年収比較(各社有価証券報告書をもとに作成)
電通は2位の博報堂DYホールディングスに500万円以上の差をつけており、広告業界における年収水準の頂点に立っています。ただし平均年齢も45.0歳とサイバーエージェント(33.8歳)より10歳以上高く、年功的な要素も年収差に影響している点は差し引いて見る必要があります。
電通の年代別の年収|20代・30代・40代・50代
転職メディア各社が公表する年代別データを突き合わせると、電通は20代後半で早くも600万円台に達し、35歳前後で1,200万円前後まで伸びるという急カーブを描きます。6年目以降に導入される「ミッショングレード制度」により、年次を重ねるごとに評価対象となる報酬レンジが切り替わることが背景です。
| 年代 | 年収目安 |
|---|---|
| 25〜29歳 | 600〜700万円台 |
| 30〜34歳 | 約900万円 |
| 35〜39歳 | 1,150〜1,200万円 |
| 40〜44歳 | 1,400〜1,800万円 |
| 50〜54歳 | 1,650万円前後 |
複数の転職メディア・口コミデータをもとに算出した目安
20代:MCグレードとして基礎を積む時期|600〜700万円台
入社1〜5年目は「MC(マーケティングコンサルタント)」グレードに位置づけられ、年収レンジは500〜1,000万円と設定されています。25〜29歳の平均は600〜700万円台で、20代のうちから同世代の平均年収を大きく上回ります。この時期は基本給の比重が高く、担当業務での実績を積み上げる段階です。
30代:PC・SPへの昇格で900万円台に到達
6年目以降は「PC(係長クラス)」に切り替わり、年収レンジは1,000〜1,500万円まで広がります。30〜34歳の平均は約900万円、35〜39歳では1,150〜1,200万円に達する計算です。30代で年収1,000万円を超える社員が珍しくないのは、このグレード移行が早いタイミングで起こるためです。
40代:SP・GMクラスで1,400万円超が視野に
11年目以降は「SP(課長クラス)」、15年目以降は「GM(部長クラス)」へと昇格が見込める時期です。40〜44歳の年収目安は1,400〜1,800万円と幅が大きく、マネジメントラインに乗れたかどうかで差が開きやすいのが40代の特徴です。部門の業績責任を持つポジションでは、成果評価によって年収がさらに上振れします。
50代:MDクラスは2,000万円以上も
50〜54歳の平均は1,650万円前後です。「MD(局長クラス)」まで昇格した社員は2,000万円以上の年収に達するケースも報告されています。一方で、評価によってはグレードの昇格が停滞することもあり、50代でも役職次第で年収に大きな幅が出る点は押さえておきたいポイントです。
電通の役職別の年収
電通は「ミッショングレード制度」という独自の等級制度を導入しており、年次よりも担うミッション(役割)の大きさで報酬が決まる仕組みになっています。グレードごとの年収イメージは以下の通りです。
| グレード | 目安年次 | 年収レンジ |
|---|---|---|
| MC(アソシエイト) | 1〜5年目 | 500〜1,000万円 |
| PC(係長クラス) | 6年目以降 | 1,000〜1,500万円 |
| SP(課長クラス) | 11年目以降 | 1,500〜1,800万円 |
| GM(部長クラス) | 15年目以降 | 1,800〜2,000万円 |
| MD(局長クラス) | 評価による | 2,000万円〜 |
電通のグレード別年収イメージ(各種転職メディアの公開情報をもとに作成)
「ミッショングレード制度」とは
ミッショングレード制度は、社員が担う役割の大きさ・難易度を等級化し、その等級に応じて報酬を決める人事制度です。年次だけで自動的に昇格するわけではなく、担当プロジェクトの規模や成果によって早期にグレードが上がることも、逆に停滞することもあります。従来型の年功序列から実力主義への転換を進める狙いがあり、6年目以降は特に評価によって年収差が開きやすくなります。
電通の職種別の年収
電通の職種は大きく「営業」「クリエイティブ」「マーケティング」「プロデューサー」「コンサルタント」などに分かれます。職種によって年収レンジに200万円以上の差があるのが特徴です。
| 職種 | 平均年収(目安) |
|---|---|
| コンサルタント | 1,600万円台 |
| 企画 | 1,550〜1,600万円 |
| プロデューサー | 1,550〜1,590万円 |
| 営業 | 1,230〜1,310万円 |
| クリエイティブ | 1,230〜1,290万円 |
| マーケティング | 1,130〜1,200万円 |
職種別平均年収(複数の転職メディアの公開データをもとに算出)
企画・コンサルタント・プロデューサー職はいずれも1,500万円を超える水準で、営業職・クリエイティブ職より300万円前後高くなっています。これは上流の戦略立案を担うポジションほどグレードが高い社員が多く配置される傾向があるためで、職種そのものの価値の差というより、在籍する社員の等級分布の違いが表れた結果と考えるのが実態に近いでしょう。
電通の年収データに隠れたカラクリ|有報の数字は誰の年収か
「電通の年収は1,596万円」という数字を見て、自分が入社すればすぐにこの水準に届くと考えるのは早計です。有価証券報告書に記載される平均年収は、あくまで提出会社である持株会社「株式会社電通グループ」に在籍する社員のみを対象とした数字だからです。
有報の平均年収を読むときの注意点
- 対象は持株会社の在籍社員のみ:実際に広告営業やクリエイティブ制作を担う事業会社の社員は含まれない
- 経営層・管理職層の比重が高い:持株会社には出向者や管理系の役職者が集まりやすい構成になっている
- グループ全体の給与水準とは別物:電通デジタル・電通総研など各事業会社は個別の給与体系を持つ
この構造を知らずに「電通=誰もが1,500万円超」と思い込んでしまうと、実際の配属先で見る給与明細とのギャップに戸惑うことになりかねません。電通グループには国内だけで約140社の企業が属しており、グループ会社ごとに給与テーブルは異なります。たとえば同じグループの電通総研は、コンサルティング事業を主軸とする別会社として独自の年収水準を持っています。

デジタルマーケティング領域を担う電通デジタルも同様に、電通本体とは別の給与体系で運営されています。応募を検討する際は、募集要項に記載された事業会社名まで確認したうえで、その会社の年収相場を個別に調べることが欠かせません。

電通は激務でやばい?残業時間37.8時間の実態
口コミサイトの集計によると、電通の月間平均残業時間は37.8時間です。厚生労働省の調査による日本全体の平均残業時間(月20時間前後)と比べると、電通の残業時間は平均を大きく上回る水準にあります。
| 比較対象 | 月間残業時間 |
|---|---|
| 電通(口コミ調査) | 37.8時間 |
| 電通が公表する削減後の水準 | 約9.0時間 |
| 日本全体の平均 | 約20時間 |
口コミサイト・電通公表資料をもとに作成
この表の2つの数字が食い違って見えるのは偶然ではありません。電通は2016年の新入社員過労自死事件を契機に「勤務間インターバル制度」や深夜残業の原則禁止を導入し、公表ベースの残業時間を大幅に圧縮しました。一方で口コミサイトに寄せられる声では、繁忙期の実態や持ち帰り仕事が反映されにくい公式数値との差を指摘する意見も見られます。有給休暇取得率は63.4%と、こちらは業界内でも比較的高い水準です。
働き方の実態は部署・担当クライアント・繁忙期によって大きく異なります。実際にどの程度の負荷がかかるポジションなのかは、求人票だけでは判断しづらい部分でもあります。同じ電通グループでも、電通はやばい?5つの不祥事と現在の働き方・年収の実態では働き方改革の経緯や現在の労働環境について詳しく取り上げています。

電通の新卒初任給・学歴別の年収は?
電通の2025年度新卒初任給は基本給275,600円に諸手当を加えた355,300円です。内訳はリモートワーク手当5,600円と、固定残業代(30時間分)74,100円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 基本給 | 275,600円 |
| リモートワーク手当 | 5,600円 |
| 固定残業代(30時間分) | 74,100円 |
| 合計支給額 | 355,300円 |
電通2025年度新卒採用情報をもとに作成
電通は短大卒・専門卒・大学卒・大学院卒のいずれも初任給は一律としており、学歴による差を設けていません。固定残業代には30時間分の残業代があらかじめ含まれているため、実際の残業時間がこれを下回った場合でも支給額は変わりません。初年度の想定年収はボーナスを含めて500〜600万円台が目安です。
電通の年収が高い理由は?
電通の年収が業界平均を大きく上回る背景には、3つの理由があります。
①国内最大手としての収益規模
電通グループはグループ売上高約1兆2,000億円、国内約140社・海外約540社を擁する広告業界最大手です。大手クライアントの大型案件を継続的に受注できる立場にあり、案件単価の大きさがそのまま高い収益基盤として社員の報酬に還元されています。
②成果主義に基づくミッショングレード制度
前述のミッショングレード制度により、担うミッションの大きさが評価されるほど早期に高グレードへ移行できる仕組みが整っています。年功序列に頼らず成果を出した社員に報いる制度設計が、若手からベテランまで高い報酬水準を維持する原動力になっています。
③高い専門性が求められる業務内容
マーケティング戦略の立案からクリエイティブ制作、メディアプランニングまで、電通が手がける業務は高度な専門知識と経験を要します。代替の効きにくい専門人材への対価として、他業界と比べても高水準の給与が設定されていると考えられます。
電通への転職難易度は?
電通は知名度・年収水準の高さから応募者数が非常に多く、転職難易度は広告業界の中でもトップクラスとされています。中途採用は即戦力を求める傾向が強く、専門スキルや実績が重要な評価軸になります。
電通の求める人物像
- 専門領域での実績:マーケティング・デジタル・クリエイティブなど、担当領域での具体的な成果を数字で語れること
- 課題解決の思考プロセス:結果だけでなく、どのように課題を捉えて解決に導いたかという再現性のある思考力
- クライアントとの折衝力:大手企業の経営層とも対等に議論できるコミュニケーション能力
- 変化への適応力:デジタル化が進む広告業界の変化に対応できる柔軟性
選考フローの特徴
中途採用では書類選考に加えてSPIなどの適性検査が課され、複数回の面接を経て内定に至るのが一般的です。面接では自己紹介や過去の経験に関する質問が中心となり、成果の大きさだけでなく、それをどう再現するかという視点が重視されます。書類選考の段階で職務経歴書の完成度が問われるため、実績を定量的に整理してから応募することが通過率を左右します。
電通のようなハイクラス企業への転職では、自分の経験がどの職種・ポジションで評価されやすいか、客観的な視点で整理することが選考突破の近道です。転職エージェントを活用すれば、非公開求人の紹介に加えて、職務経歴書の添削や面接対策など専門的なサポートを受けられます。
電通の転職におすすめの転職エージェント
電通の年収に関するよくある質問
電通の平均年収1,596万円は本当ですか?
2025年12月期の有価証券報告書に記載された数値であり、公式データとしては事実です。ただし、この数字は持株会社である株式会社電通グループに在籍する社員のみを対象としたもので、事業会社の社員全体の平均とは異なります。実際の年収はグレード・年次・配属先の事業会社によって500万円台から2,000万円超まで幅があります。
電通で年収1,000万円は何年目で到達できる?
ミッショングレード制度上は6年目以降の「PC」グレードで年収レンジが1,000〜1,500万円に切り替わるため、早ければ30代前半での到達が見込めます。年代別データでも30〜34歳の平均は約900万円、35〜39歳では1,150〜1,200万円と報告されており、成果次第でさらに早い到達も可能です。
電通は激務で年収に見合わない?
口コミベースの月間平均残業時間は37.8時間で、日本全体の平均を上回ります。一方で電通が公表する働き方改革後の残業時間は月9.0時間程度まで削減されており、公式データと口コミには差があります。部署・担当クライアント・繁忙期によって負荷は大きく異なるため、一概に「激務かどうか」を判断するのは難しいのが実態です。
電通デジタルや電通総研の年収も同じ水準ですか?
いいえ、異なります。電通デジタルや電通総研は電通グループに属する別会社であり、それぞれ独自の給与体系を持っています。電通本体の有報の数字をそのまま参考にはできないため、応募先の事業会社ごとに個別の年収相場を確認することをおすすめします。
中途入社の場合、前職より年収は上がりますか?
多くの場合、前職の年収や実績を踏まえたグレード判定が行われ、一定の上乗せを伴って入社するケースが多いと報告されています。ただし専門性や実績によって判定されるグレードは変わるため、必ず年収が上がると断言はできません。転職エージェントを通じて年収交渉を行うことで、より有利な条件を引き出せる可能性があります。
※ 免責事項
本記事の情報は、株式会社電通グループの有価証券報告書(2025年12月期)、公式ウェブサイトで公開されている情報、および転職口コミサイト等の公開情報をもとに執筆しています。可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、情報の正確性・最新性を保証するものではありません。年収や待遇は個人の評価・部署・配属先の事業会社・時期によって大きく異なる場合があります。本記事における推測や考察は公開情報に基づく見解であり、株式会社電通グループの公式見解ではありません。最終的な条件等は必ず公式採用ページや会社説明資料等をご確認ください。
参照・参考元
株式会社電通グループ 有価証券報告書(第177期)
株式会社電通グループ 公式企業情報
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」

